現場を歩くことで、見えてきたこと

働き方改革の一環として、社内でサーベイを実施したところ、「現場とのコミュニケーションが足りていない」と感じている社員の声が多数寄せられました。確かに、日々の業務に追われる中で、現場に足を運ぶ時間を取れていなかったのは事実です。
そこで私は、自分の業務を見直し、現場と向き合う時間を意識的に作ることを決意しました。それが「歩き回りマネジメント」です。これは単なるパトロールではなく、現場の空気を肌で感じ、社員と直接対話することで、信頼関係を築くことを目的とした取り組みです。
現場に足を運んで見えるもの
現在は月に2回、現場を訪問する時間を設けています。チェックしているのは、いわゆる“管理項目”だけではありません。
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現場責任者がどうメンバーと関わっているか
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作業ルールがきちんと守られているか
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現場の雰囲気に緊張や不安が漂っていないか
そして何よりも大切にしているのは、社員との会話です。
「うまく行ってる?」
そんな一言から始まる会話を、私はとても大事にしています。何か問題があるか、という問いではなく、日常の延長として自然に聞ける言葉だからこそ、社員も安心して話してくれます。笑顔を忘れず、雑談も交えながら、決して上からではなく、同じ目線で対話する。そういった空気作りを心がけています。
意外だった「現場の空気」
歩き回りマネジメントを始めて、私自身がまず驚いたのは、「現場の雰囲気の良さ」でした。忙しい中でも、思っていた以上に和気あいあいとチームで協力しながら働いてくれている。それは日頃の責任者やメンバー同士の信頼関係の賜物だと感じました。
また、実際に現場に足を運んで話を聞くと、書類や報告書では見えてこない“急所”が見えてきます。たとえば、「この作業は工程表では○日と書いてあるけど、現場では△日の方が動きやすい」など、柔軟な改善のヒントも出てきます。
現場からのこうしたリアルな声は、経営判断にも活かされる貴重な情報です。
「数字」だけでなく「人」を見る会社でありたい
私たちが目指すのは、数字や報告だけで物事を判断するのではなく、現場で働く“人”をちゃんと見て、一緒に考え、動いていける会社です。
社員にとっても、「見られている」「気にかけてもらっている」と感じることは、大きな安心感につながります。信頼関係というのは、指示や管理だけでは築けません。対話と空気感の中で、少しずつ積み重ねていくものです。
これからも「信頼は現場でつくる」
今後は、この歩き回りマネジメントの様子も社内外に発信していこうと考えています。現場での空気感や、働いている人の表情、交わされる会話——そういった日常の積み重ねが、会社の信頼をつくっていくと思っています。
お客様にとっては「任せて安心な会社」として。求職者にとっては「ここで働いてみたい」と思える職場として。
そんな企業であり続けるために、私たちはこれからも、歩きながら、話しながら、現場とともに進んでいきます。